オープンサイエンス(1)

オープンサイエンスとは、文字通り「開かれた科学」のことである。

最近になってあちこちで活発な議論となっている。日本学術会議でも「オープンサイエンスの深化と推進に関する検討委員会」が設置され議論が続けられている。

 

 これは今後の科学の行方を左右する極めて重要な課題である。また、昨今地球科学分野でも頻発している科学における不正に対して有効な手立てを科学の側が打ち立てられるかということでもある。

 

 さて、どういうことか。

具体的例から議論しよう。最も流布している検索エンジンGoogleでは「南海トラフ」と入れると、なんでもかんでも含めて870万件ヒットする。これでは取りつく島がない。そこで学術情報検索エンジンGoogle  Scalarで見てみよう。Nankai Troughと入れる。科学ジャーナルで発表されたもの、学会発表の要旨など16,600件が瞬時にヒットする。このGoogle Schalarは日本語のものも含む。とても便利だが読み切れる数ではない。年代を絞る。2015年以降のもの。それでも4950件。2018年以降1680件。これでも絶対に読みきれない。そこでもジャーナルへたどり着く。

 そのアクセスがオープンになっていれば読める。しかしそうでなければ要旨だけ示され、読みたければ買いなさい、と出る。学術論文ならば大体1編数千円する。高い! 読みたい!でも読めない!(続く)