科学哲学の冒険
秋田の学会からアメリカオレゴンと旅行する間に読んでいた本。
なかなかわかり易く、面白く引き込まれる。
科学とは何か、何を知る事が本質か、を常に考えることは極めて大事だ。
ともすると、そのような問いかけなしに日々の作業に追われることが多い。
そして、時に学会の席でも、
「そんなこと意味ねー!」という暴言が偉い人から飛び出す。
そんなとき、
「いいえ、そんなことはありません。かくかくしかじかーー」
と冷静にかつ、胸を張って言えるためには、どれほど広く深く根本から考えているかだ。
「理学の目的」は「真理の探究」ってことになっており、それは東大理学部の憲章にもそうなっている。
しかし、「真理の探究」ってなんだ?って考えるとなかなか深い。
そんなことまで考えてしまう人にはこの本は絶対に面白いはず。
この60年の間にある意味、日本で泥まみれになってしまった地質学、そして地球科学における科学の本質をきちんと再整理したい、というのが私の願いである。