2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

人生最大の大手術(5)-俗界への復帰へむけて

集中治療室最終日のめざめ。最初はけいれんする胸が求める咳と痰。 これまで、苦痛によりできずにきた。 少し状態の傾斜を起こしてもらい、胸と腹を押さえて、 「痰切り!」 腹筋と胸筋、傷に大きく響いたが、暖かく柔らかい液体が喉の奥にジワーと広がった…

人生最大の大手術(4)-集中治療室の風景

集中治療室での二泊目。一泊目はほとんど寝ていたの周辺の状況など、分かり様がない。しかし、二泊目は両側の騒々しさに寝るところではなかった。左隣、カーテンに仕切られ、こちらも顔を横にも向けられないのだから、会話とやり取りが聞こえるだけである。 …

人生最大の大手術(3)-術後最大の山場

午後、妻と娘がやって来た。集中治療室面会は家族のみ、時間も限定的とか。 ようやく眼鏡が戻り、視界が戻る。でも相変わらず朦朧としている。娘は自らの身重を押して手術前夜から来ていたとのこと。慌ただしく帰った。 そして、そのあとのことである。手術…

人生最大の大手術(2)-激痛、幻聴のリズム

人生最大の大手術(2)-激痛、幻聴のリズム 二度目に目覚めたのは、手術翌日の早朝のようだ。「今、何時?」と聞くと看護師さんが「三時半頃」とこえてくれたが、午後か午前かは分からない。長時間麻酔の後はそうだときいていたが、確かに。 目覚めと同時に、…

人生最大の大手術(1)ー目覚め

5月28日 入院当日病院前入り口の花2012年6月15日は、私の人生にとっての最大の山場となった。心臓冠動脈7カ所のバイパス手術。朝開始して夕刻までかかる大手術というのだ。朝、家族と慌ただしく別れを告げ、手術台の上に。 部屋は肌寒い。しかし、そ…