北海道の歴史

北海道の歴史がわかる本

北海道の歴史がわかる本

  • 作者: 桑原真人,川上淳,宮川健二,井上哲
  • 出版社/メーカー: 亜璃西社
  • 発売日: 2008/03/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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先週、札幌でのまとめ買い第2弾。
いやー、これも面白かった。
江戸時代の北海道の歴史を理解する「つぼ」が分かった!
こんなこと昔は、習わなかったし、きっと昔はこれほど整理されていなかったのではないかと推察する。
なぜなら、私の教育を受けた1960年代、そんな余裕はなかったはず。
この本にも、本格研究は、1968年の「北海道開基100年」よりあとの事だと言っている。
「道庁主催の開基100年」は明治以降の和人史観だ!との批判が、北海道の歴史研究に火をつけたと。
確かに、その時代は学生運動を含め、反体制運動が大きく盛り上がっていたときでもあり、ありうる事だ。
高校生であった私は、フォローしていなかったが。

江戸時代、北海道の基本構図は、北のロシアと日本の徳川幕府の確執、その狭間で翻弄されるアイヌ民族の図式だ。
松前藩など、幕府から「お前には任せられん!」といって二度も蝦夷の地を幕府直轄にしたというのも面白い。

16世紀以降、ほぼ100年間隔で起きた、三回に及ぶ和人とアイヌの戦争。いずれもアイヌ側の敗北だ。
そのすべては和人の側の理不尽がきっかけだ。
堪忍袋の緒が切れてしまうのである。本当に相当ひどかったと見受けられる。

江戸幕府の必死の北海道進出の最大の動機は、北から押し寄せて来るロシアの脅威だ。
それも主に17世紀以降だ。

私の分野の地球科学から見ると、この17世紀って、地球がしばれる本当に寒い時代なんだよね。実は、残されている酸素の同位体ってやつで気温が推定されている。
日本は相次ぐ飢饉、北のロシアなんてもっと深刻だったろう。
皆、食を求めて世界中うろうろだ。きっとそんな環境激変のことが自然との関係で根本的にあるのだろうな。
この本には書いていないけれど。