イタリア中部地震

日本での報道は北朝鮮ミサイル騒動の影で異常に少ないが、昨日、イタリア中部で地震が起きて百名以上が死に、とてつもない被害が出ている。

起こった場所はイタリア半島の背骨、アペニン山脈の中だ。
場所は、「全ての道はローマに通ず」の1つ、サラリア街道沿いか?

このニュースを聞いた瞬間、私はその地震は逆断層?それとも正断層?と思った。
イタリア半島は、地殻変動が活発で、日本列島に良く似ている。
東のアドリア海は、イタリア半島の下に沈み込んでおり、イタリア半島を長靴にみたてて、東のいわゆる「ふくらはぎ側」には逆断層が発達する。
アドリア海沿いからアペニン山脈の中軸にかけては多くの逆断層が発達しており、いわゆる付加体からなる。
それに対して、西海岸のいわゆる「すね側」は全く反対である。イタリアの西海岸は、ローマ、ピサ、ナポリなどがあるが、火山爆発で埋まってしまったポンペイのベスビオ火山など、多くの火山がある。そこは正断層で広がる場所だ。それは、西のティレニア海で新しく生まれている海につながる。その境目がちょうどアペニン山脈の中にあるからだ。

このセッティングは日本の中では、九州に似ているのだ。
一昨日日向灘で海溝型の地震が起きた。しかし、北部九州は正断層で広がる場所だ。火山もたくさんある。そのセットに似ているのである。

そこであわてて、地震発震機構をチェック。逆断層か?それとも正断層?
答えは、http://earthquake.usgs.gov/eqcenter/eqinthenews/2009/us2009fcaf/#summary
半島に平行な方向の正断層だ!
アペニン山脈は、ちょっと低くなったに違いない。活断層も現れているに違いない。GPSは一挙に西へ動いたのだろうか?

パオラやフランチェスカ、ジュリオなどのイタリアの同僚研究者、それにダレルコーワンなど、現在イタリア半島を研究している米国の研究者等、注視しているに違いない。

今朝の新聞、ネットを見ても、詳しい説明は一切ない。アフリカとユーラシアプレートの複雑な結果としか記されていない。
これじゃー、プレートが動いているから地震が起きた、としか言っていないのと同じだ。

地中海、アルプス山脈などを知ることは、地球を知る上で大事だ!
そこのヒトの歴史だって世界を欧州を知る上で欠かせないのだから。ついでにちょっと自然も知って欲しいものだ。

今後の調査の行方を注目したい。