戊辰戦争論
- 作者: 石井孝
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2008/01/01
- メディア: 単行本
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そこでの一期一会は楽しみの時間。今回は、必ずしも北海道の本ではなかったが、目に飛び込んだのがこれ。
北海道の近代の歴史は、明治維新の箱館戦争からはじまる。その頭は明治の時代、今私も会員である東京地学協会会長も務めた榎本武揚。彼は最後の江戸幕府で海軍の親分でもあった。箱館戦争では、新撰組のイケメン土方歳三が戦死する。昨年、龍馬伝が大ブレークしたこともあり、興味は尽きない。
まだ、読書半ばであるが、大変面白い、分かり易い。
何が面白いかって?これまで多くの幕末ドラマを見て、書物も読んで来たが、そこにはあまり登場しない幕末の騒動を取り巻く外国との関係だ。幕府側にフランス、薩長側にイギリスと単純に思っていたが、そんな単純なものではない。幕府、薩長それぞれの側が、それぞれ外国と連絡を取り合い、外から見た国際世論を巧みに使う、武器の調達も。イギリス、フランス、アメリカなどもそれぞれ相互に牽制し合い、内政不干渉の確認を合意しながら形を作る。 どちらも論が割れる。急転する情勢の中で意思の統一を計るのは大変だ。東と西、行き来するだけで片道4日はかかる。海を道を人が激しく往来する。
日本の近代の国際化の原点がここにある、いまだ日本はヘタクソに見えるが、この時代欧米列強からの侵略を許さず、アジアで奇跡の開国を果たした教訓は奥深い。
ちなみにこの本は、復刻版であり著者は既に亡い。私はもちろん日本の歴史の詳細は完全素人であるが、この時代の多くの傑物の人間物語を超えた時代の教訓は理解したいと思っている。なぜなら現代につながる原点だから。
読書および感想は断続的につづく。