織田信長の地球観

織田信長といえば日本人であれば知らない人はいないのではなかろうか。
「うつけ」といわれ徹底的に、とんでいた。
神を信ぜず、仏を信ぜず、既存の組織を信ぜず、最初の無神論的権力者、しかし暴君ーー。
語られる歴史は尽きない。

しかし、意外と知られていないこと。
それは、彼が地球は「丸い」のだとはっきりと認識したはじめての日本人だということだ。
地球科学者でさえ知らない人が多いと思う。

1568年頃、彼が35歳の時、はじめて地球儀を見せられ、それを知った。
そして、当時、発表されてコペルニクスの地動説すら受け入れていた可能性があるという。
ガリレオの宗教裁判は17世紀前半だから、当時まだまだヨーロッパでは異端であった、
日本にキリスト教が上陸してからまだ20年も経っておらず、それをもたらしたカソリック世界ではまだまだ天動説に時代だ。
だとすると、当時,宗教改革で敗北したカソリックの内部からの改革を推進し、世界展開をしていたイエズス会ってのは凄い知識人を世界へ送っていたことになる。

信長の革命的所業に対する評価は、大量殺戮を伴うので別れるところであるが、世界を、そして地球を知ってしまった信長にとって、近場にある宗教や世界観、それに基ずく政治はすでに彼の相手とすべき対象ではなかったのかもしれない。
そのギャップが、彼を暴君にさせ、そして自ら滅んでいった。

どのような世界観、地球観を持つかが社会を変革した歴史がそこにあると思えてならない。