疑似科学とは

疑似科学入門 (岩波新書)

疑似科学入門 (岩波新書)

これまでの長い人生の中で、時々学生からぎょっとするような話を聞く事があった。
私たちがとても科学ではないと思ってきたことを信じていたりする学生がいるのである。

本書は、それらを適切に整理した、宇宙物理学者の池内了氏の著作。
池内氏は「複雑系の科学」と未来予測の部分に、疑似科学が入り込む危険性を指摘する。
地震予知地球温暖化と地球環境問題と未来、生命進化とゲノム、ーー。
それらは皆、地球惑星科学のからむ課題であり、大きな議論の対象でもある。
論争の相手に、お互いに、「疑似科学」とのレッテルを張り合ったりもするからなおさらややこしい。

そのような課題に取り組む時に、「科学とは何か?」ということを冷静に深く考えて研究に望む姿勢は極めて重要である。
本書は、そのことを考える場合の良い指針を示しているといえよう。
学生諸君に読む事を強く勧めたい。