アジアオセアニア地球科学会招致

地球惑星科学連合では、2010年にアジアオセアニア地球科学会を正式に招致することとなった。
今週末からはじまる。
http://www.asiaoceania.org/aogs2008/
私は渡米するので出席できないが、そこで地震研究所の佐竹さんに招致演説をお願いすることとなった。
そのプレゼン内容が以下である。

http://www.jpgu.org/

連合大会を終えて、昨日は、総括のための会議であったが、その主要点をニュースで流した。



2008年連合大会を終えて

                       運営会議議長 木村 学

2008年の連合大会も皆様のご協力のうちに無事終えることができました.
参加者の皆様,大会を支えていただいた多くの方々に連合を代表して心より
厚く御礼申し上げます.

さて,今回の大会を振り返り,その特徴を簡潔にまとめてみたいと思います.
参加者が昨年より300名以上も上回り,4862名となりました.そして,連合
大会は若者の参加によって支えられているという特徴があります.すなわち,
全参加者の中で大学院生,学部学生以下を合わせた合計は1500名以上,実に
全体の3分の1近くに達しています.このように若者に圧倒的に支えられて
いるということは,連合は依然として発展中であり,未来が明るいことを力
強く示しております.

今年の連合大会の特徴は,本格的に地球環境問題に関連した大規模な特別シ
ンポジウムやユニオンセッション,トップセミナーが開かれたことです.内
外の注目を集めつつ,活発な議論が展開されたことは重要でした.また昨年
に引き続き,日本学術会議と連携して開催した「地球惑星科学のすすむべき
道」における議論の展開は,細分化されていた既存の分野を超えて地球惑星
科学を推進するという,連合設立の理念を強力に推進するものであり,この
分野の科学とコミュニティーのあり方全体の今後の方向を示すものとなりま
した.

連合の今後のあり方に関わる具体的で重要な活動も展開されました.まず,
ミャンマーのサイクロン災害,四川省地震に関する緊急声明」を,全47加
盟学協会長で構成される評議会で一致して議決し,直ちに内外に公表いたし
ました.大規模自然災害に対するこのような緊急声明は,連合発足後初めて
行ったものです.また連合内に現地の緊急調査などに関わる学協会調整機関
を設置いたしました.この声明は大会開催中に行われていたアジア学術会議
の席上でも紹介され,今後の地球規模の自然災害に対する日本の地球惑星科
学が果たすべき社会的使命を強く押し出すこととなりました.

このような前進の中で,解決すべき問題も生まれております.参加者の着実
な増加により,ほぼすべてのセッションの会場が手狭となり,解決を望む声
が急増しております.また,現在のボトムアップ型のセッション設定の原則
は参加者の積極的参加を促す側面を持つと同時に,小さな類似のセッション
が多数併存するという乱雑さを生む結果になっております.参加者からプロ
グラムの整理を望む声が強く出されております.これらの問題は,会場や大
会開催期間の再検討という根本的な問題につながりますが,連合大会の一層
の発展のために,早急に解決しなければなりません.また,連合の国際化も
極めて重要な課題です.連合は,2010年にアジアオセアニア地球科学会(AOGS)
を日本に招致して連合大会と同時に開催し,より一層の国際化を目指します.
同時開催実現の可否は,この7月にAOGSによって決定されます.

大会中に開催された連合評議会では,この1年間検討を重ねてきた連合将来
構想委員会の最終答申を承認し,連合が一般社団法人化を経て公益法人化を
めざすための準備を開始することをお認めいただきました.その主要な柱は,
(1) それぞれの専門分野を軸とした学協会との共存共栄を基本的理念とする
こと,(2) 専門を超えた分野別セクション制を導入し,そのリーダーシップ
でプログラム編成や統一的国際ジャーナル発行などの活動を推進すること,
(3) 全分野にまたがる事柄に対しては連合全体がアレンジすること,といっ
た組織戦略を取ろうというものです.法人化の実現によってはじめて,しっ
かりと社会における認知を受け,社会に根を張り,内外に向けて役割を果た
すことのできる強力なコミュニティーの形成が可能となります.

来る1年は,日本の地球惑星科学がさらに大きく脱皮するための極めて重要
な時となります.連合大会を終えたばかりではありますが,連合はその未来
に向けて始動しております.皆様のご理解と一層のご支援を強くお願い申し
上げる次第です.