石川啄木詩集
先週、札幌の中学の同窓の集まりで、修学旅行の時の話になった。
北海道の農村から、函館、弘前、仙台、松島とまわるものであり、その時の私たちははじめての津軽海峡を超えた興奮の旅。
最初は、函館の大森の浜、そこにたたずむ石川啄木の像。
なぜか、その像の写真を私は持っている。すでにセピア色になっているが。
当日、友が昔のアルバムを持参した。
何かロダンの「考える人」を思わせ、引き込まれたのであろうか?
写真を探して、この像が本郷新であったとは知らなかった。
(写真は、本郷新記念 札幌彫刻美術館サイトより)
彼の「一握の砂」
東海の小島の磯の白砂に
我 泣きぬれて
蟹とたわむる
は今でも、そらで出て来る。
ってな、ことのあった後、
私の最寄り駅の「ダイエー」で古本市。
石川啄木詩歌集 \900が\400!
- 作者: 石川啄木,浅野晃
- 出版社/メーカー: 白凰社
- 発売日: 1965/06
- メディア: 単行本
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詩集など、まったく無関心な、文系オンチの私であったが、思わず手にし、最後まで読んだ。
驚くべき!
百年前の、ガラスのような心の啄木の短い青春を感じ取ることができる。
19で結婚し、27で散った啄木。
その翌年には妻、節子も逝く。
あまりにもはかない青春であったのだ。
修学旅行に引率した先生たちは、この詩集にうたわれた、いのちとこころの大切を私たちに伝えたかったに違いない。
でも、その時の私たちには、それを感じ取る事はできなかった。
ただ、啄木の物悲しい表情のみが残された。