通勤電車の乱れ

けさの通勤電車は大幅に乱れていた。時間はほとんど意味なし。
嵐で乱れる事はあるが、そんなことよりはるかに多い原因は人身事故。首都圏では人身事故がやたら多い。でも決してそれがニュースになることはない。
自殺なのか、本当の事故なのか、誰にも分からない。
地方都市ならば大きなニュースになるのに、奇妙な大都会の影の部分だ。
アメリカの大都会で殺人事件がほとんどニュースにならないことと、現象として似ている。
人々が無関心なのだ。私は東京へ来た時に、その現実に大きなショックを受けた。
しかし、そういう私も「あ〜、またか」と慣らされてしまった。おそろしいことだ。

私は、一度だけ、事故の起きた駅で、乗っていた電車の緊急停止を経験したことがある。
しばらく停車していたが、20分くらいで動き出した。その駅は地下であったので、ゆっくりと駅から暗いトンネルへと動き出した。
その駅の端から暗がりへの移り変わりのホームの横に、白い布を被せた遺体が置かれていた。
足だけが見えた。その足には、作業員がはく「軍足」がはかれていた。
「作業労働者あるいはホームレスの人が身を投げたのであろうか?」と一瞬思ったが、その後ニュースにもならず、永久に事態はわからずじまいとなった。
そんなことがこの東京の大都会ではあちこちで日常茶飯なのである。
なぜなら日本の自殺者は毎年1万人を突破して久しい。それは1年間の交通事故の死者よりも多いのである。
最近の景気の悪さと失業者の急増は、更に自殺者を増加させる不安材料である。