西への空路
木枯らし一号の吹きすさぶ東京を後に、高知への空路。
冬になると空気が澄み、空からの風景を楽しめるぞ〜。
右通路側席であったが、なぜか幸いに窓側が空席、おまけに翼の上ではない。
離陸時に居眠りをしてしまったが、目が覚めると富士山が接近してくる。
おお〜、今日はよく見える。
乗務員が肩を叩く。
「お客さん。それは携帯電話ですよね。」
「え?大丈夫ですよ。機内モードで電波は出ていませんよ」
「そうですか。なら結構です。いい景色ですよね」
<ほらほら、そんなこというから、富士山がもう過ぎてしまったじゃないか>
またうとうと。
再び目覚めると、眼下に広がる、真白き大規模河川。紀伊半島、嵐の爪痕だ!
熊野本宮だ。これは相当ひどかったのだと実感できる。
田辺市上空
そして紀伊水道沖を過ぎる。
薄い大気の層が、フラジャイルな地上世界を見せつける。