ある小学校長朝会の記録「童話の窓」(1)

ある小学校長朝会の記録「童話の窓」(1)

 梅雨が明け、暑い夏がやってきた。子供たちは夏休み。大昔の子ども時代、夏休みのはじまりは、学校の拘束から解き放たれ、自由を満喫する至福の時であった。
 でも、大学人はちょっと違う?講義や会議でびっしりと埋まる日常からちょっとだけ解放され、思いの残っている研究に集中出来る貴重な時間。
 今年は来週から札幌ではじまる北海道でのアジア・オセアニア地球科学会に向けて少々忙しい日々がはじまる。

それはそれとして粛々とやるとして、個人的にもやりたいこと、やらねばならないと思う事がある。
 27年も前に他界した父が残した膨大な資料の整理。父は北海道の小学校の教員であった。彼の生涯の整理を放ったまま、ここまで来てしまった。私の残り時間も少なくなり、自身の整理をしつつつまだ前へ進みたいという欲もある。それらのすべての帳尻を合わせなければならない。あわせたい。
 肉声カセットテープ、ガリ版で刻み、製本し、配布していた読み物--。
 どこから手を付けようかと思い悩んだ。
整理が続けられそうなもの、父も多くの人に読んでもらいたいと思ったに違いないもの(だからガリ版で刻んだ)として、父・木村司が昭和49年から続けた朝会童話の記録からはじめることにした。
 ちなみに、父の記した「はじめに」は教育に関わる事柄が長々と書かれているのでさておくとして、5つの教育目標、これは今に通ずるものがり、重要と思う。。それぞれの童話に込めたメッセージが番号となっている

1。平和で民主的な社会の建設に努力する子ども
2。生命を尊重し、心身共に健康で明るく、ねばり強さのある子ども
3。生きた知識を身につけた創造性のある子ども
4。情操豊かで思いやりのある子ども
5。勤労の価値を認識し、積極的に実践する子ども

さてさて、まえがきがながくなってしまった。さっそくはじめよう。