ロンドン地質学会長と懇談

kimura-gaku2008-03-19

今日の午後、国立博物館で18日より開催されている、ダーウィン展のために来日されている「生命40億年全史」の著者であり、ロンドン地質学会会長のRichard Fortey氏の訪問を矢島道子さんの案内で受けた。
ケンブリッジ出のエリートらしいイギリス紳士である。
チャールズ・ダーウィンは当時のロンドン地質学会の巨匠ライエルとの議論の中で、進化論を確立したことはあまりにも有名。当時の地質学は、地球を研究するまさに科学の先端であったのだ。Fortey氏は三葉虫の専門家。

著書はこちら

生命40億年全史

生命40億年全史

ダーウィン展の案内はこちら
http://darwin2008.jp/


昨今の地質学事情について意見を交換した。やはり、フィールドをできる人材がどんどんいなくなり、大変だという話をした。特に最近石油資源環境関係などで、一挙に地質学の需要が急増しているが追いつかない、とのこと。国際的に共通の問題であり、ともになんとか出来ないかを探りたい、ということで一致した。これから、フィールドワーク訓練は国際的フレームで実施する、ということも夢ではないかもしれない。

また、古い地質学の文献をワールドワイドに電子システムで結ぶようなことはできないだろうか、との提案もあった。欧州ではイギリスとフランスがそのような古いアーカイブがあり、戦争で焼き尽くされた古いドイツの文献を見るために、ドイツから研究者が来るという。日本も地質学会は明治以来120年の歴史がある。
ことばの違いがあってもとにかくアーカイブをたどれることが大事だと、強調していた。
「百年に5回引用されれば、500年は残すべき文献だということになるのだ」というのはいかにも世界最長200年の歴史をもつロンドン地質学会会長にふさわしい名言である。
明日は、博物館で講演予定だそうである。残念ながら私は別の会議があり出席できないが、今後も日本の地質学会と密接に連携していくことを約束して別れた。