浪人たちの笑顔

昨日、北村有迅君がドイツから一時帰国でひょっこり現れる。
「どうしたの?」
「え!明日戻るって?んじゃー、今日飲めないか」
「一回帰って、サンフランシスコには行きますからー、そこで」
「そうだな、アメリカで皆で飲もう!」


(ぎゃー、サンフランシスコ、また連日の飲みだなー。今日医者に言われたばかりだが。いや、飲まなければいいんだ!一杯のビールで酔えば酔い。あのパブだな?<胸の内>)



山口飛鳥君
「え!アメリ渡航前に博士論文をかき終えねばならない?!」
「それはまずい!見る時間がないぞ。出来た分から次々送ってよこせ。電車の中でも見るから」


(うう!しばらく、本が読めない!しゃーない演歌でも聞きながらするか。急げ!俺の時間を奪え<独り言>)

「ところで投稿した論文どうなってる?」
「えー、また2ヶ月以上、帰ってこなく」
「それは異常だ。断固雑誌編集長に強く文句言うべし。3ヶ月以内で返すと明示しているのに、8ヶ月以上もほおっておくことを許してはならない。間違いなくすばらしい仕事なのだ。ひょっとするとそれはpriorityに絡んで危険な状態だ。日本人はおとなしくしていると舐められる。」
「公募への応募の推薦文は?」
「何通でも持って来い!下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるで行くぞ!」
『下手??』

亀田純君
「そうか、四月から収入なしか!ほんと残酷なポスドク問題だ!」
(本当に。嫁なんか見つかる訳ないよな、博士様が日雇いと同じじゃー。いい男で、絶好の歳なのに<独り言>)

小林さん
「しばらくほっとらかしでごめん。修論どうなってる?」
「ボチボチー」

(ボチボチじゃー間に合わんぞ!ぐっと押さえて<心のうち>)
「そうか、頑張れ、あと2ヶ月!」

「ま、いろいろ大変で、お先真っ暗じゃござんせんか」って言っててもはじまらない。そうだ、決起コンパをやるぞ!え〜と、四日だ!そこいらに転がってる酒、みんな持って来い!フラストレーションのたまってる奴、皆、呼んでこーい!俺も家にあるビール、酒、皆放出するぞ!」
「えー、でもD論書かなければーー」
「誰もお前に飲めなんて言ってない。皆飲んでる横でパソコン持って来て、議論しながら書けば、いい知恵が浮かぶかも」

(うう!またこのワンパターンか。医者がーーー。決意。俺はビール一杯以上は飲まん!<独り言>)

さー!
「追いつめられた時は、笑うのが一番。笑え!」