教育・人間

讃岐の偉人、南原繁と現代 南原繁は、戦後最初の東大総長。今手元に数冊の本がある。不思議な出会いだ。私は立花隆氏の著作は読んできた。その中で初めてこの人の片鱗を見て偉大な人であったことを知った。札幌農学校のクラークから大きな影響を受けた「武士…

5月10:45~11:15 地球惑星科学連合大会「学校教育用語セッション」で招待講演 学術会議地球惑星人材育成委員会委員長職の責務で教育問題で講演をする。30分も時間をいただいたので、どうするか思案していた。 この際、少々というか、かなり非常識だが、私…

現役最後の地質学会大会 定年まであと199日

長野で行われた日本地質学会年大会に参加してきた。長野市ははじめてなので、ついでに善光寺参りと川中島決戦跡地も見てきた。素晴らしい! 天気が良くて何より。しかし、東京での地震があったというニュースも飛び込んできた。 さて、地質学会関連の役職も…

秋のはじまり

定年まであと227日 お盆も終わり、いよいよ秋に向けて始動である。1000年、100年、10年、5年、3年、来年、そして今年いっぱいと 未来へ向けてさまざまな仕込みと、現在の処理、過去の清算の同時進行が始まる。時間スケールが長いほど私事から離れる。それら…

 避暑地で考えたこと 

(定年まであと247日) 7月末の週末、東京では恒例の隅田川花火大会。私の住む浦安市でも東京湾で納涼(?)花火大会。百万人を越える人達が押し寄せたらしい。汗をダラダラと流しながら、深夜まで熱中症の恐怖におののく。全く納涼どころではなかったであ…

 地球惑星科学人材育成  定年まであと253日

7月22日午後、第23期日本学術会議地球惑星委員会人材育成分科会が開催された。この国の地球惑星科学の大学・大学院教育、初等・中等・生涯教育はじめ全てを俯瞰し、今後の方向を見定め、2年後に提言としてまとめるというのが本会議の任務。私が委員長を仰…

 大学動乱の時代(3) 18歳人口は再来年から一気に減少へ。さ、どうする大学?

大学の文系教育系の再編縮小改革案の、それぞれの大学からの自主・自律案の締め切りが今月末に迫っている。 それぞれの大学ではすでにほぼ出来上がっているのではないだろうか。こんなに急がされている背景は、18歳人口が再来年から一気に減少に向かうからで…

 大学動乱の時代 (2) 定年まであと295日 

文部科学省改革プラン平成25年11月 批判は易しいのであるが、対案、いや、より優れた案を提示することなしの不安表明では無責任のそしりは免れないので、それらを考えながら。改革プラン2枚目は、法人化以降の成果のみ、それも一部しか記していないので、評…

 大学動乱の時代(1) 定年まであと296日

定年まで300日を切って、やめていく大学はますます動乱へ突入しています。 私は国立大学が2004年に法人化されて以来、大学運営などにはほとんど関与してきませんでした。 学会などの外回りばかりをやって。しかし、ここへ来て学術会議第三部(理工系…

日常への復帰 定年まであと306日

ときの流れは速い! 1週間の連合大会が成功裡に無事終了したが、忙しさでカウントダウンを記さず、10日以上過ぎた。3年前、連合大会終了後、もう一歩も動けないほどの体調の悪さで病院へ駆け込んだのが学会開け、翌週の月曜日であった。 病院から家に帰…

ある小学校長の朝会 童話の窓(8)リビングストンの苦しみ

原住民たちが「おとうさん」とまで愛称したといわれるイギリスの探検家リビングストンを隊長とする探検隊は、探検だけではなく、原住民仲間にキリスト教を布教して奥地へ、奥地へと向かって行きました。シレー川の谷間では絶えずマンガジャ族とアジャワ族が…

朝会の記録「童話の窓」(7)王子の眼をえぐったザロカス王

クロリヤンスのザロカス王は、国民がぜいたくで遊樂にふけっているのを心配して悪風を一掃するためには厳格な法令が必要であろうと思って一条の法律を公布しました。 「もし、国民にして風儀を乱す者あらば両眼をえぐり抜くべし」 国民は法を恐れ、風儀の乱…

 朝会の記録「童話の窓」(6)ハリガネ殺し

懲役人が牢屋を許されてシャバに戻ってくるとき、だれをイの一番にタヨリに戻ってくるでしょう。 いうまでもなくそれはお母さんでしょう。西洋のことわざにも「全世界が汝を見捨てても母が最後に汝の全世界となる」とあります。 近江のある村での出来事です…

朝会の記録「童話の窓」(5)狼と子羊

子羊ががけから降りて水を飲みに流れに行きました。 狼がやぶからふいに飛び出して子羊のそばに来ました。 「こら、こら、どうして水をにごしてしまうか。僕が飲もうとするときにわざとそうする悪いやつ」 そう狼がいいました。 「いいえ、そうではありませ…

 朝会の記録「童話の窓」(4)豊沢団平とこじき

「何だ騒々しい」 玄関先がさきほどからやかましいので、主人の団平はふすまから半分乗り出して見ました。 「あなた、まあ、どうでしょう。お師匠さんにお目にかかりたいなんて、図々しいおねがいだこと」 そういう女房の声に角のあるのも道理、文字通りに頭…

 ウクライナ 感

ウクライナ騒動の激震が世界を駆け巡っている。私もその行方が大変気になる。しかし、それは単なる一般的な関心というだけではない。旧ソ連で最初にお世話になった通訳者がウクライナ人だったからだ。1984年のことだからもう30年も前のことなのだが。 サハリ…

縁は奇遇・一期一会

先日、遠い昔、高校のときの縁で年に一度の北海道岩見沢市の東京ふるさと会「東京岩見沢会」に参加させていただいた。顔を出すようになってまだ数回であるのだが、毎回、新たな出会いがあり楽しいものである。 今回、会で講演をされたのは、北海道新聞論説委…

杉村新先生卒寿記念シンポジウム

先週の土曜日に、杉村新先生の卒寿を記念するシンポジウムと祝賀会が開かれた。その席で講演をさせていただくという機会をいただいた。大変誇りに思う。 杉村先生は、火山フロントという地球科学の世界では、いまや当たり前となっている言葉の創設やその意味…

地球惑星科学参照基準昨日午後、東京大学地震研究所で、学術会議地球惑星科学委員会大学教育問題分科会主催の公開シンポジウムが開かれた。3時間のシンポジウムであったが、大変意義深いものになった。1)地球惑星科学とは何かをきちんと定義し、 2)他の…

言の葉① 問答法=ディベート術

昨日は土曜日なのに、朝から夕刻まで会議。時に激論。 今日午後も学術会議主催、「地球惑星科学参照基準」公開シンポジウム。またいろいろと議論になるだろう。さていつも議論になるたびに思い、かつ自分が発言するときにあえて意識的に思うようにしているこ…

夢を売る男

夢を売る男作者: 百田尚樹出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2013/02/15メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (34件) を見るお 百田尚樹のベストセラー 再び三たびの、ほんわか・ラストを期待して読み始め、週末を幸いに、他の宿題をチョット…

大学とは何か

大学とは何か (岩波新書)作者: 吉見俊哉出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/07/21メディア: 新書購入: 3人 クリック: 142回この商品を含むブログ (50件) を見る久々に濃密な読書をさせていただいた。吉見先生は、秋入学問題など、今東大改革の中核におら…

「暴走老人」

齢80を超えた石原慎太郎氏が都知事をやめて国政に打って出るという。マスコミは「暴走老人」という。彼の政治的主張への賛否はさておいてあのパワーはどこからでてくるのであろうかとある意味感心してしまう。 地球科学の世界でそのような「暴走老人」はい…

俳優/江良潤

昨日曜日夕刻、新潟から高校同期の元女学生が上京しているというので、汐留シティーセンター42階に集まった元女子2名。元男子8名。面影はどこにある?! これは子供時代の学芸会と。 「え?え!え?」今と大昔と、遠き青春時代と、視線と記憶が泳ぐ。 「…

科学者とは何か

科学研究費申請の書類かき他で半徹夜が続き、ようやく一服の週末突入。 夜明け前の外は冷たい雨の音。 この間の隙間読書記録の1つを記しておこう。科学者とは何か (新潮選書)作者: 村上陽一郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1994/10/01メディア: 単行本購…

香川県中学理科研修会

久しぶりに香川県高松。 ここには昔12年間いた。 なつかしい町並み。でも随分と変わってしまった。 <おお、あの山の麓にいたんだ!> 最新の南海トラフ研究、いま少々考え、論文を書いている日本海溝の大地震津波の話を織り交ぜて90分間、話をつづけた…

延岡掘削ロゴ

研究を楽しく、盛り上げながらやる、というのは私のモットー。 そこで本プロジェクトのシンボルとなるロゴ作成。といっても私が作った訳ではない。 若者が案を作成し、それを皆で議論し、略称も決めてっと、皆参加型でいく。 長期の海洋掘削では、ロゴのため…

うれしいニュースー学生の就職内定

東日本大震災、それとは関係はないが大切な友人の逝去、と悲しく重い日々が続いていた重苦しい1ヶ月以上の時の中で、久々にうれしいニュースが舞い込んで来た。修士2年の学生がさるマスコミ関係の記者試験に内々定をもらったという。1000倍の難関だったと…

玉木賢策教授告別式

先般亡くなられた、玉木さんの告別式が決まりました。 3月11日、東北地方太平洋沖地震の発生する2時間前の飛行機で成田を立たれたのだそうです。 「もし、地震の後のフライトであったなら、キャンセルとなりーー」とは、今更ながらのくやしさです。大動…

人間・伊藤教授定年記念

昨日4日、千葉大学伊藤谷生教授最終講義と定年記念祝賀会が開かれた。 題して、 氏との付き合いは、ざっと3つの事柄を通して深まった。私は彼の卓抜した人間性を深く尊敬している。最初は、1994年、北海道の日高山脈横断地下深部探査。 なけなしの研究費の…