情と理、仏と鬼ー年度末の締め切りが近づいて

年度末が近づいてくると、卒業、修了をめぐって忙(セワ)しなくなる。
単位が足りない!締め切りに間に合わない!など悲鳴があちこちから聞こえて来る。さて、成績を出す「権力」を有する側としてはどうすればいいか?
「仏」となって、自分は納得しないが合格を出すか?「鬼」となって自分の責任をはっきりさせるか?
いつも私は考えてしまう。なぜなら、全て事態は個別的であり、一般則はないからだ。成績は点数だが、どう点数化するかである。
これは昔から繰り返される作業だ。
私は、これまで何人も合格とともに不合格を出して来たし、中には本人が納得できないからあえて卒業を延期する勇気ある学生も随分見て来た。
私は、卒業延期に関しては何の躊躇も感じはしない。その意味で、本人が納得できない場合はまさに「鬼」だ。

長い人生、1、2年の回り道はどうってことない。結果としてそのことが人生の糧になるかどうかだ、と思っている。
その意味では、教育する側の「権力」は人の人生を間違いなく左右する。
最大の基準は、本人がどれほど自ら全力を尽くし、新しい地平を自ら開いたか、だけである。

緊張する場面か近づいている。
頑張れ!若者!最終局面。
大きく深呼吸をして、自然体で自分を眺め、攻めきるか、撤退するか、自分で決めよ。攻めると決めたからには一心不乱、全力で当たれ。撤退と決めたからには捲土重来、次のチャンスに今よりもはるかに高い地平をめざせ!
すべては自分のため。悔いのない人生の瞬間を送るために。「ヒトは言うに任せよ」