歴史の方程式
- 作者: マークブキャナン,Mark Buchanan,水谷淳
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/11
- メディア: 単行本
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この本は、以前にも一度読んだのであるが、再び引っ張りだして読んだ。
最初は、地震のグーテンベルグーリヒターの冪乗則からはじまる。地球科学を学ぶものには極めて入り易い導入だ。
いわゆるフラクタルの話だ。
そして、臨界と自己組織化の話だ。
私のブログを読んでいただいている方は、なんで専門を離れて歴史だ、人類だ、なんだかんだと横道に逸れていて木村学は少々おかしいのではないかと思っているかもしれない。
しかし、私の中ではつながっている。
人の歴史も、地球の歴史も、宇宙の歴史も、生命の進化も、大量絶滅も、地球環境の激変も、そして地震の発生も、共通の言葉で表現可能であり、それがフラクタルと臨界と自己組織化だ。そしてカオスだ。これは1990年代より前はほとんど認識されてはいなかったことである。しかし、周囲を見ていてもなかなか浸透していない。相変わらずの決定論的、還元主義的科学の枠を抜け出せないでいる。そして無限地獄(無限仮説)の連鎖にある。
私は常日頃、この分野の科学における「哲学の貧困」を感じているが、科学や自然観を変えた、この「複雑系の科学」に対する真正面からの向き合いが絶対に必要である。