古代文明と気候大変動

古代文明と気候大変動―人類の運命を変えた二万年史 (河出文庫)

古代文明と気候大変動―人類の運命を変えた二万年史 (河出文庫)

人間活動に起因する地球温暖化未来をめぐる議論がちまたで騒がれて随分になる。
地球温暖化はウソだ!」という声も近くで聞こえる。
私も人ごとではなく、まさに地球科学の問題でもあるので暇をみつけてはフォローしている。
いきなり論文とは行かない分野なので、まずはちまたの普及本。
そこで、文庫本となったこの本を手にし、南海トラフ関係の会議ラリーが過ぎて、読み始めた。
まだ、読み終えてはいないが、なんといっても西洋世界における考古学的な成果と気候変動、歴史をがっぷりよっつで攻めている。
多くの地名が出て来たり、聞いた事のない植物、動物の名が満載にでてくる。
すらすらとはいかない。しかし、最近は便利だ。
ネットで、Wikipediaで、Google earthで、探りながら、時には画像を見ながら読書できるのだから。
そんな読み方をしているとすすまない。

昨日は、おまけに本教室の多田教授の気候変動100万年、渾身を込めた1時間半の大講演を聴いた。
古気候研究、考古学の世界も徹底した帰納的科学によって事実を引っ張りだす世界だ。
こういう科学の世界は、演繹的科学の世界(たとえばモデル研究やシミュレーション研究)から見れば、ごてごてして見えるのだろうな〜、と思いつつも面白い。
森羅万象に隠された、事実のほとんどは帰納的科学の中から引き出され、演繹的科学によって真理として定着する。
その科学の歯車を思いながら、私の知識のない世界を眺めるのは楽しい。

この連休、研究以外の本を少しは読み進めたい。
読書まちは天童竜太「悼む人」そして、福岡伸一動的平衡