講義 構造地質学そして変動帯テクトニクス

昨日は、午前 最初の構造地質学、そして最後の変動帯テクトニクスの講義。
それぞれ二人で分担し、夏学期(前期)の折り返しだ。

前半の講義は、学部生向け、後半は大学院向けである。
今の講義のカリキュラム体系において、自然全体、地球科学全体を「知る」ための体系のためのものが少ない。
従って、いま勉強している科目がどのような立ち位置にいるのかが見えにくくなっている。
そこで、構造地質学の最初には、一見なんの関係もない話をすることにしている。

題して「研究のこころ」
自然を知るための考え方の根本のこと。一見対立する見方を対置する。
プラトンvsアリストテレス
デカルトvsベーコン
還元vs総合
演繹vs帰納
観測・観察vs実験・理論
物理帝国主義vs森羅万象主義
地球物理学vs地質学と地球論争史
そして、
地殻変動地震観測と構造地質学
だ。

これだけで一年間は出来そうだが、それを90分に圧縮。
同じような論点が数千年も続いており、徐々に前にすすんで来た事をのべる。

講義ノートは、こちらにあるので興味ある人はどうぞご連絡を。
http://web.mac.com/tectonicsgaku/公式サイト/Education.html

挿絵がおおく、それは人の著作権にも関わるので一応 IDとパスワードで保護しています。
ご連絡をいただければ、お教えします。


午後は最後の変動帯テクトニクス。
最後は、南海トラフの最新研究、ゆっくり地震とプレート境界、そして南海掘削。
教材として、いま研究途中で、たまたま私の手元にある、プレート境界断層の実物を披露した。
「世界で一つ、値段のつかないお宝でーす!」
このために一日○千万かかる「ちきゅう」を使って、5ヶ月でこの断層を得ました。
プレート境界は、この2mmの厚さ。

えええ!講義を終わった後に、のりのいい学生がよってきた。
記念撮影させてくださーい!
はい、いいよ。

むむ、やっぱり実物教育だな〜、大事なのは。学生の目つき、食いつきがまるで違う!
このレプリカ、やっぱり作りたいのだがね〜。関係機関のご理解、ご協力を得たい。