地質時代/第四紀はじまりの変更

昨日、学術会議のIUGS分科会があった。
IUGSとは、International Union of Geological Sciences (国際地質学連合)。
この夏、オスロで開かれた年代に関する決定の報告があった。
地質時代の第四紀のはじまりは、今から255万8千年前と決められた。従来は約180万年前であったのだから,
一気に70万年以上古くなることになる。
また、Tertiary(第三紀)ということばが消えた。そして第四紀ということばだけが残ることとなった。
歴史的には、まず第一紀(ほぼ古生代)と第二紀(ほぼ中生代)が消え、150年たって第三紀が消えた。
国際的には、永年にわたる議論が、これで決着した。

第四紀には、氷河時代と人類時代という科学的バックグラウンドがあったが、人類というキーワードは後裔に退き、気候変動が前面に出た定義となった。
定着にはしばらく時間がかかるだろうが、教科書、官庁書類など変わっていくだろう。
それにしても残された問題は、日本語に訳している古第三紀と新第三紀だ。
その上の階層の第三紀がなくなってしまったのだから。

さてさて、古第三紀と新第三紀に変わって、Paleogene, Neogeneをどう訳すこととなるのであろうか?
学術会議が音頭をとってシンポジウムを一月に開催することで調整することとなった。
ことばづらの問題ではなく、その背後の科学、そして地球の歴史をどうみるかという、哲学的問題も含めて議論したいものだ。