刷新会議事業仕分け 余震1

先週から、刷新会議事業仕分けに対する動きが表面上、徐々に静かになりつつも、反応は広がりを見せている。

金曜日には、氷雨降る中、学術会議の地球惑星科学委員会、地球惑星圏分科会が開かれた。
「仕分け人」の先生も参加され、二時間にわたる大型研究をめぐる白熱議論が展開された。
率直な議論が展開され、建設的なものであったと思う。
私も、いいたいことは言わせていただいた。やり方が粗雑であること。そもそも国家戦略なき、拙速な結論であることーー、若手ばっさりはひどいこと、などなど。
そして、研究者の側の、学術会議地球惑星関係でも、自分の分野以外の大型研究やその分野の現状等は相互にあまりしらないたこつぼであること、長い間の官僚システムへのおんぶにだっこは、反省すべき事である事、などなどは共通の認識である事、などなど。

私は、さらに持論の科学技術行政に関わる官僚は、すべて博士にすべし、と述べた。これだけで、とてつもない数のポスドク、博士雇用が生まれる。
研究に通じ、行政に関しても有能な人材は、たくさん生まれている。
答弁不能の官僚は一掃され、かつ国の科学技術行政は改良される。おまけに、独立行政法人行政職、マスコミ、とあらゆるところへの波及効果が生まれる。
松下幸之助も本来は技術者、本田宗一郎も技術者---。そして伝説の経営者となった。20世紀のドリームメーカーにならって。
そういえば鳩山首相は、博士。だからこそ、一気に官僚システムをかえられるはずだ。そうすれば官僚システムも欧米並になる。


事業仕分けの議論。博士増加政策は間違っていた。だからこれからは減らし、溢れた者は切ってしまえ、ではひどすぎる。大量に生まれた若い優秀な人材を国を挙げて生かし、定着させる、それを政府自ら率先してやればよい。経費としては何も増やす必要のない政策だ。

これらの議論は、今後の展開に反映されると期待したい。
なお、当日の議事録は、公開される予定である(連合学術会議コーナー、少々遅いのがあるがー)

12/4午後、物理学会、化学会、数学会、天文学会などとともに、地球惑星科学連合も参画し、記者会見、パネル討論が展開された。
記者たちからも、科学者の側の責任に関する質問が出された。
科学の成果と意義に関する積極的な宣伝の不足、ボトムアップで推進していくシステムがないために官僚システムに依存する体質、相互の連携の弱さ、---
自らを反省する意見も多く出された。
マスコミからも、そのような姿勢に対しての評価もいただいた。
事業仕分けの結果がどうなるかに引き続き関心を持ち、最後の最後まで意見を表明し続けること、科学技術担当大臣の菅直人副首相への面談を申し入れる事、ほとんどはじめての機会となった、理数系学会の連携、相互連絡を密にしていくことなどを確認して集会を終えた。

今回の討論会をリードいただいた、学術会議第三部岩澤康裕先生、日本化学会に感謝したい。

(さて、いか個人)

ブログがなんか、報告書みたいになってきたな〜。はやく普段に戻りたい。
さて、アメリカ地球物理学連合秋季大会が近づいて来て、慌ただしくなってきた。(13日渡米予定)
この事業仕分け騒動に巻き込まれて、研究の計画に大きな打撃を被った。しかし、研究の世界ではそんなことは理由にならない。
「大変だね、ご苦労さん」で終わりである。そのようなことが、恐らく様々なところ、分野で生まれている。

と、ぼやいてばかりはいられないな〜。

土日は、そこに集中〜!。