暦のリズムー年度末のドタバタ

大学は1月末が最大の山である。
卒業論文修士論文、博士論文、ほとんど全ての締め切りが押し寄せる。
更に、来年春の学会締め切りが目白押し。
会計関係の締め切りも。
朝から晩まで片付けに追われる。

これらは毎年恒例なのであるが、ふと暦を考える。

旧暦(太陰暦)から新暦太陽暦)への切り替えは、確か明治6年のこと。今から140年も前のことだ。
それまでは、旧正月が新年のはじまりであった。
それは建国記念の日の頃。
そもそも2/11は紀元節であり、それは旧暦の元旦にあわせたに違いないのである。

厳しい冬が終わり、日がはっきりと長くなり、梅の花が咲き、春の兆しが現れ始める頃が新年のはじまりであったのだ。
中国の揚子江界隈の季節の風景であり、日本でも関西ではこの感覚がぴったり。
北海道では、札幌雪祭りが終わる頃だね。厳寒の1月が終わり、日差しが変わり始める頃。
そういえば、雪祭りって時々、雨が降って、それが凍り付いて道路全てがスケートリンク状態になることってよくあったね。
あれが旧暦正月の風景。
(でも北海道開拓の時代はすでに新暦だね)


しかし、暦はそのこととのずれが拡大するのでうるう月まで設けた。
正月が2か月続く!
元旦が2度楽しめる!

「時は金なり」
そもそもうるう年の2月って、なんか1日よけいにあり、儲かった気になる。
それが1か月も増えたとき、とてつもなく設けた気になったに違いない。


そちらの方が生活のリズムに密着していた。
おまけに1日は日没夜明けが基準。
それぞれを干支にちなんで12に分ける。
すなわち、冬の昼間はどんどん時が進む。大晦日に向けて全ての仕事を片付けなければならない。借金返済の締め切りは除夜の鐘がなり終わるまで!
そして、晴れて正月を迎える。

正月がすぎ、春が近づくにつれ、徐々にゆっくりとなる。

1月末の締め切りとは、まさにその旧暦の季節と生活感覚なのである。
暦の管理が大変なので、暦の輸入で太陽中心の新暦に変えたが、時間のずれを楽しめたに違いない旧暦世界って楽しかったかも。

「今年はうるう月だから、締め切りの後の正月休みは、2度あるぞ〜!」なんてね。

はかない締め切り前の夢想でした。