映画「精霊流し」

胸がつまる、一輪のバラがーーー

サンフランシスコからの帰り便は映画「精霊流し

もちろん、さだましの「精霊流し」はよく知っている。
しかし、「音楽はメロディーだ」という浅はかな思いでしか聴いていなかった昔、その歌詞に思いをめぐらすこともなかった。

そのさだましが、小説「精霊流し」を書いたという。忙しさにかまけて読むこともなかった。

ようやく映画になったということを、どこかでちらっと見た気がした。

その重ね合わせが、ちょっとの余裕の隙間のこの機内で、多くの映画のメニューの中からこの映画を私に選ばせた。

原爆被害の戦後の長崎を舞台にした、間違いなく私たちの親の世代と私たちの世代(さだまさし)の物語。

多くの人の死によって純化される人の心の美しきと豊かさ。

いい映画であった。