美しい稜線

私の持論「科学における高い峰と拾い裾野」と同主旨の意見が、私がファンでもある福岡氏の意見でもあり、こころ強く思った。以下。
科学の歴史のなかで、ノーベル賞受賞者や偉人伝に載るような科学者を高い山だとすれば、山の稜線が高みをもって、美しく見えるのはすそ野や山塊が豊かにあるからです。何がしかの真実を明らかにしたのに、産業上の進歩に結びつかず、一編の論文となって図書館の片隅に沈殿したままの研究はごまんとあります。人間にとって実は、その沈殿の厚み、山塊の豊かさが大事なのです。(福岡伸一朝日新聞、2010/4/3/b3 フロントランナー)