事業仕分け 科学・技術

今日の事業仕分けを午後、断続的に聞いた。

感想:理化学研究所の女性職員採用に関わるつっこみは最低であった。仕分け側の見識が大きく問われたものだ。
1950年代、60年代の感覚か?
「職場恋愛は行けない。職場結婚はいけない、結婚したら一方がやめなければならない」
それを続けることには、何か「お手盛りの不正疑惑」があると。

一方で男女共同参画をうたい、一方でこんなことが政権党議員から飛び出す。
これを支離滅裂という。

この事業仕分けは、無駄を削るというところでは一定の効果は上がっているのだろうが、こういう粗雑さが目につく。
すると、やはり受け狙いの、程度の低いポピュリズムかという、冷ややかな見方にもうなづいてしまう。

さらに決定的自己矛盾は、

研究開発独立行政法人に、「戦略を考えているのか」と問い、そして「実行しているのか」問う。
「そうだ」と答えると、
「では総合科学技術会議文部科学省はいらないね」と言う。
本来、総合科学技術会議文部科学省は「戦略構築」、研究開発独立行政法人は「実行部隊」といいたいのだ。
そもそも総合科学技術会議文部科学省にそれが出来ないから、研究開発独立行政法人をある種のシンクタンクとして使っていたのだろう。

その問題を研究開発独立行政法人に向かって言ったってせんないこと。いうべき先が違うのである。
しまいには、昨年の科学者や総合科学者会議有識者議員からの「科学技術戦略がないぞ〜」という仕分け批判に対して、戦略がないのは総合科学者会議有識者議員らのせいであるかのように言ったのには笑ってしまったよ。
総合科学技術会議議長は内閣総理大臣」だからね。
アメリカのオバマ政権は、政権を取る前から科学技術政策が明確で、政権を取るなり人を全て入れ替えて、即座に実行していく。
それに対して我が政権党は、半年経ってもいまだに科学技術戦略と政策がない。いまだに立ち上げ時期とexcuseしている?
総合科学技術会議をつぶす」といいったはずだが、どうなっているのだろうか?
明日は、その総合科学技術会議が第四期科学技術基本計画の素案を出すらしい。

つまり、「戦略つくりはお前達の仕事じゃないぞ〜」と批判したが、実は仕分け人達の親方に向かって「つば」をかけているのである。
それを昨年科学者達は声を揃えていっていたのである。これぞ、完全なる自己矛盾。

<今読んでいる、3世紀の「ローマ人の物語ー迷走する帝国」だったら、皇帝は間違いなく殺されているね>

だから、私は声高に、科学技術政策をきちんとリードできる理系専門行政官(事務官ではない)を大量に増やせと言っている。
理系行政官1万人計画ーこれで一気にポスドク問題にもめどがつく。皆それぞれの分野のプロだ。
いま、官僚達は多くを大学や法人から出向させて自分たちに出来ないことを発注してしのいでいるのである。
2−3年でコロコロ変わる、一流に器用な文系転がし官僚では持たないのである。
戦略を外部シンクタンクに頼り、お墨付きをもらい、そしてシンクタンクに実行が帰っていく。
これを本当のお手盛り利益相反)の構図というのである。

事業仕分けでメスを入れるべきはその構図の方じゃないの?と改めて強く思った1日であった。

ちょっと言い過ぎたかな〜。
言い過ぎると、しっぺ返しがあるかな〜。
でも言わずにもいられない。

まとめた「つぶやき」でした。
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