南極物語とタロ

昨日からキムタクの南極物語がはじまった。久々に面白く、見応えのあるドラマがはじまった。
地球科学が前面に関わるドラマだから一層引きつけられる。
いまでも多くの同僚や極地研の友人、学生たちは南極の研究に関わっていることもある。
先日の学会でも、若者が「今度、南極へ行ってきまーす!」と胸を張っていた。

随分前の最初の南極物語では、高倉健が主演だった。
それまで、網走番外地で大ヒット、ヤクザ映画専門だった高倉健が突然変身で大きな感動をもたらした。そして、当時いた北海道大学の教室などが使われたもんだから印象深かった。
高倉健が南極の岩石の露頭で振るった岩石ハンマーが、ピックという先の尖ったものではなく、柔らかい地層向きのチゼルハンマーで、かつ使い方が反対であることには驚いたり、笑ったり。
「そんなんじゃー、石は割れないぞ〜!」ってね。

今回も、地球物理、電磁気の御大といわれた故永田武教授や、当時まだ若い故立見辰雄先生等が登場するはずで見逃せない。
立見先生には、1984年、北極のスピッツベルゲン島へ行った際に、キャンプ用具や必要道具の微に入り際に入り、スプーン一本にいたるまでの全てのリスト作りのご指導、ご助言をいただいた。その背景に南極での経験があったのだと今更ながら思い出す。

第1回の樺太犬のために登場した北海道の犬飼哲夫教授は、超有名人であった。永らく北海道開拓記念館の館長を勤められた。今年、札幌では熊出没騒動があるようだけれど、かつてならそういう場合、必ず登場した先生だった。

そしてなんといっても樺太犬のタロ・ジロ
タロは奇跡の生還を果たし、永らく生きた。
1969年。私は北海道大学の植物園でそのタロにあったことがある。剥製ではない。生きているタロだ。
真っ黒でクマのように大きなタロが檻の中でゆったりと過ごしているのを見て、その奇跡の帰還物語を反芻したものだ。
それほど南極観測とタロジロ物語は、大きなロマンと感動を与えたのだ。
今回のドラマには多いに期待し、楽しみにしたい。

:小口さんから即座にNHKじゃーないよとtweet.そういえば宣伝が沢山はいってたね。カット修正。