大学動乱の時代(3) 18歳人口は再来年から一気に減少へ。さ、どうする大学?

大学の文系教育系の再編縮小改革案の、それぞれの大学からの自主・自律案の締め切りが今月末に迫っている。
それぞれの大学ではすでにほぼ出来上がっているのではないだろうか。こんなに急がされている背景は、18歳人口が再来年から一気に減少に向かうからである。

「文系だって必要だ。人間形成や社会の理解に欠かせない。」という声が聞こえる。全く賛成だ。
主にリベラルアーツ学部で大学人生48年の3分の2を過ごして来、その後専門学部で過ごした私の経験からみても、心からそう思う。絶対に欠かせない。

だからこそ、次のグラフの示す冷厳な未来、50年後には日本の人口が8千万人となり、若者が大きく減少する現実に対して高等教育をどう施すのか、と問われ、その設計は待った無しだということの理解は重大だと思う。
その設計に3つの道筋がある、と提案されているのである。

誤解を恐れず解釈すれば、3つとは世界突き抜けデパート型大学か、部分突き抜け「ブティック型」大学か、ふるさと密着型大学か、である。これを全体として「広い裾野と高い連山」の高等教育を持つようにするという案と理解している。もちろんそれらで学んだり教えるものが裾野からサミットへ自由に這い上がるリベラルな夢がなければ、この社会は世界で先進を維持できないと思う。そのリベラルな道筋を保証するものこそ、人文社会系も含んだリベラルアーツ教育だと理解する。

そのような視点から、人文社会系教育を設計してみると面白いものができるかもしれない。
「現状でいたい」気持ちはわかるが、それだけでは未来は見えてこないだろう。