大動乱の時代 (4) イノベーション 定年まであと270日。

 東北の久利さんのfacebookで知らされてJSPSの最新レポートを読んだ。耳慣れないことばが35ページも並んでいる。ネットを辞書代わりにして、うなりながら読んだ。心意気・理念は、自然科学研究でも文理本格統合により先進国とともに近代科学の大転換を図る宣言。

大きな影響を受けたらしいのは、欧州の22世紀を見つめた未来科学戦略「Horizon 22」。

この近代科学大転換戦略に日本最大の科学競争bottom up資金の科学研究費を使うよ~、と言っている。
理工系の科学計画にはもっと社会との関係、文系の知恵・人を入れよ。
文系にはもっと自然科学・理系のことを学びそれを包括する野心をもて、と言っている。

JSPSはそのために科学研究費の分野、分科・細目を全面的に見直す、と。すでに大詰めと別なところから聞こえてくる。

これ、90年代に大綱化で潰された大学のリベラル^アーツの、研究現場での復権と言えなくもない。15年前までずっとリベラルアーツ畑(教養部、教育学部)にいて、東大以外教養教育が皆潰れ、潰され、専門蛸壺化したことを無念に思っていた身としては、ちょっと賛成。失われた20年、今更、と言えなくもないが。

子供人口急速大縮小に伴う昨今の文部科学省の大学再編司令と合わせると、科学技術高等教育行政の側の未来戦略が見えて来る。

この戦略で、環境劣化、災害拡大、世界人口爆発、情報超過多、金ない、現先進国縮小--という暗い未来地球を救えるか? 世界科学者会議(ICSU)は「未来地球Future Earth」を今後10年の世界共通の科学の最大ミッションと決めた。日本はその世界事務局(3つある)の1つを引き受けた。

逆転をなし得る鍵は経費。お金を生み出せるかは未来へ進めるかと表裏一体。

理念があっても日本がギリシャ化してしまったら何もなし得ない。借金1000兆円の日本。残された借金可能枠はあと300兆円(国民一人当たり1000万円)。それで日本国民自身の貯金は全て使い尽くす。外国へ借金デフォルトへの道。

未来のための「痛み」は否応なしにやってくる。でもその「痛み」がやがて「喜び」に変わることを信じたい。

http://www.jst.go.jp/crds/pdf/2015/RR/CRDS-FY2015-RR-02.pdf