Timberline Lodge
いま滞在中のロッジは、総丸太、と近場の安山岩(横の山の石)作りである。
写真1(外観)
こんな建物をいまつくろうとしたら、とんでもない経費がかかる。
写真2 内部(中心に位置する暖炉と丸太の柱)
おまけに丸太をみるとほとんど手作り。
いつ、どうして、こんなものが?と当然思う。それを説明したパネルを見て納得。
時は1930年代、世界恐慌が起こった。
そしてその時の大統領ルーズベルトがNew Deal政策を開始したのだ。
New Dealとは、日本語で言えば「新対策」だ。
アメリカ全土で、18歳から25歳までの25万人を対象に雇用し、全国展開で開発を実施した。
一人1時間、最高で0.9ドル、働きが悪いのは0.5ドルというから、当時としては破格である。
そして、このオレゴンの山奥にも投入された。
出来上がったのが、このロッジだ。
現在では、夏でもスキーができる数少ない場所で、滞在していても多くの人が訪れている。
見ていると、意外と歳をとった人が多い。
ひょっとすると、その人たちの祖父の世代が、この開発に従事したからなのかもしれない。
なんて、ことをつらつら見たり思ったりとして、休憩時間にロッジ内をうろうろしている。
Mount Hoodの夕暮れは美しい。
そしてロッジに灯がともる。
こころの籠った木彫りの彫刻、母子像。
荒くれ男たちはこの彫刻を彫りながら、家族に思いをはせていたのかもしれない。