一層深刻なポスドク問題

今、全国で多くの人が博士論文をまとめている。
しかし、科学に多くの飛躍をうむこの時期に、冷や水をかけるような事態が進行している。
それは、学術振興会のこの時期のポスドク採用のための通知だ。
彼らは研究を継続したいという強い意志で、通常の就職活動も投げ打って研究に没頭して来た。
就職活動は大変な時間を割かねばならず、それだけで研究に遅れをとり、研究への道を断たれかねないからだ。
この時期の不採用通知はどれほどの打撃であるか。私も大昔、ポスドクを経験したので想像するだけでも身を切られる思いだ。
今の現状はその当時の深刻さをはるかに上回っている。
応募に対する採用率は2割を切るだろう。
あとの人にどう生きろというのだろうか!
これを日本の頭脳の損失と言わずしてなんというのか!
心底、いい知れぬ怒りが込み上げて来る。

これは個々の人に対する、指導教員の努力をはるかに超えた課題だ。

地球惑星科学連合では、来る連休のど真ん中11月23日の日曜日、お台場、毛利さんの科学未来館の横、国際交流館でこのポスドク問題のシンポジウムを開く。
http://scienceportal.jp/scienceagora/agora2008/081123/2-11.html

当事者は、もちろん今まとめの真っ最中でとてもこのシンポジウムに参加する余裕等ないかもしれない。
しかし、時間を割いてでも、是非参加してもらいたい。
そして、研究への熱い思いを今一度奮い立たせてもらいたい。
この連休中は、未来館を含めて、サイエンスアゴラの大キャンペーンが催されてもおり、多くの行事がある。
http://scienceportal.jp/scienceagora/agora2008/

深刻な事態の解決には自らの行動が絶対に必要である。
そんな励ましにもなるシンポジウムになることを期待した。
もちろん、私は参加し、発言もしたいと考えている。