寒い朝に思う

今朝は、寒い朝だね〜。昨日の朝は、淡路島の地震のニュースに釘付け。被災された方へお見舞い申し上げると共に、この1日の関係者の被害の解明、復旧への努力、研究者の実態解明への努力に敬意を表します。


寺田寅彦の格言「災害は忘れた頃にやってくる」のではなく「忘れないうちに次から次へとやってくる」この頃。今朝の天声人語の言い草、その通りです。

「忘れ」は、恐らく生物が「心の痛み」から解放されるために、死と誕生のチェインによってリセットするに似て、脳が細胞を入れ替える際にあえて継承しない情報蓄積システムの一部なのでしょう。本当に痛いこと、嫌なことほど忘れ易い!?

しかし、人間は、生物の中で唯一脳の外に記憶蓄積継承システムを獲得した動物です。それが人間をここまで化け物にしたのですからね。

エネルギーフラックスを生物進化分類の基準に入れる論では、哺・鳥・爬・両・魚と一桁ずつフラックスが変わるのに、人類は猿までの生物より明らかに一桁多いので、新動物だという論があります。生物として生きるための基礎代謝は2000Kcal、しかし文明国では一人数万kcal使ってる。

生物進化分類の基準に世代を超えた情報蓄積継承システムも入れるべきですね。人間がここまで地球で君臨できた理由は、記憶の個別的な口伝伝承を超えて、情報蓄積継承システムを持ったからです。文字の発明、紙の発明、電信の発明、そしてコンピュータ、インターネットシステムです。

忘れなくなったことによって生存のリスクを万年スケールで考えなければならなくなった。そのジレンマに今人類は直面してしまったのですね。

そんなジレンマにどう真正面から取り組むか、それがまた大いなる挑戦なのですね。