大学動乱の時代(1) 定年まであと296日

 定年まで300日を切って、やめていく大学はますます動乱へ突入しています。
私は国立大学が2004年に法人化されて以来、大学運営などにはほとんど関与してきませんでした。
学会などの外回りばかりをやって。しかし、ここへ来て学術会議第三部(理工系)地球惑星科学委員会で人材育成分科会委員長をお引き受けすることになり、この分野の大学・大学院教育全般に関して今後の方向を見据えた提言をすべく検討を進めなければならない立場となりました。
 現場を去ろうという段、いやもうほとんど足が抜けているので、リアルな現実を知らない立場でやりきれるのかという不安もあります。一方、現場から離れることでより客観的に見られるかもしれないとも思います。
 
 しかし、コミュニティーのあちこちから、悲鳴にも近い現場の大変な状況が聞こえてきます。

 本メモは、今後分科会でこの分野の大学・大学院教育全般を検討していく、私の個人勉強備忘録。7月後半に分科会を開催する予定ですが、そのための公開準備過程ともいえるかも。今後も断続的に記してゆきます。

 まずは、なぜ動乱なのでしょうか? 
 それは、平成25年11月文部科学省発表のこの図。


1。平成16年(2004年)に法人化し、10年を経過した国立大学では、平成28年以降、第3期中期目標期間がはじまる。
2。その目標は、「持続的な"競争力”を持ち、高い付加価値を生み出す国立大学へ」変えること。
3。その第3期開始に向けて、今は正に「グローバル化イノベーション機能強化、人事給与システム弾力化」を軸に改革加速期間である。
4。自主的・自律的な改善発展を促す仕組みを構築。

なぜ静かにしておられないのでしょうか? 背景は、

グローバル化
少子化
新興国台頭

です。

大学は、今、平成28年度に向けて、自主的・自律的改善発展を促されています。加速とは物理でいっても力を受けていることですね。静かにしていたいと思う向きには大動乱なのです。
人事・給与システム弾力化って?当事者は気になりますね。

(2)へ続きます。