現役最後の地質学会大会 定年まであと199日

 長野で行われた日本地質学会年大会に参加してきた。長野市ははじめてなので、ついでに善光寺参りと川中島決戦跡地も見てきた。素晴らしい! 天気が良くて何より。しかし、東京での地震があったというニュースも飛び込んできた。

 さて、地質学会関連の役職も解かれ、今回は私人生の中でもほとんど初めての、自らの発表のない(連名の学生は別)大会であった。
 そうすると面白い。これまでは発表準備やら、打ち合わせやら、飲みやら、やたら忙しく学会とは大いに疲れる場なのであったが、今回は いろいろな話をじっくり聴けた。
 ま〜、実にいろいろ面白い。もう十分に仕上がった大人の話から、大量のデータに埋もれもがくものから、ピンキリなのがまた面白い。
 聞く耳持たぬのやり取りから、実にうまい熟練のやりとりまで、まさにドラマ人間模様。

 聞いているだけでは申し訳ないので、思わず手を挙げてしまう。
 さるところではしゃべりすぎたか、と少し反省。


 歳など気にせず、思いの丈を伸ばし続ける先輩・同輩もいる。
 気にしていると発表などできないかもしれない。
 これまで、「いや〜」とも思っていたが、心境が少し、いや相当わかる。

 学会は創立125周年事業に入るという。
 急激少子化社会における学会活動、それと重なる私たちの終活、隠居道、難しいね。

 そうだ、現代地質学の創設者とも言われるライエルの150年前の言葉を借りて、今回の一部への感想としよう。一群の発表にタイムスリップの錯覚を感じたのは以下なのであった。

 山脈の隆起や火山の噴火などの大変動が突発的に生じたという説を耳にするし、ーーまた、普通の災害や度重なる洪水、交互に訪れる平穏な時期と激動期、地球の寒冷化、動植物の全種に突然起きた絶滅などの仮説も聞く。しかし、こうした仮説が現れる背景には、古き良き時代のように憶測ですませたいとか、謎を根気よく調べようとせずに一刀両断で解いてしまいたいという願望が現れている(ライエル地質学原理1850より、岩は嘘をつかない、D.R.モンゴメリー著、黒沢令子訳、白楊社, 2015)。