朝会の記録「童話の窓」(5)狼と子羊

子羊ががけから降りて水を飲みに流れに行きました。
 狼がやぶからふいに飛び出して子羊のそばに来ました。
 「こら、こら、どうして水をにごしてしまうか。僕が飲もうとするときにわざとそうする悪いやつ」
 そう狼がいいました。
 「いいえ、そうではありません。水は流れてそちらからこちらへ来るではありませんか。そうちらは川上、こちらは川下。あなたの水はにごりません。」
一本取られた狼はむっとふくれていいました。
「生意気いうな。とにかくお前は悪いやつ。半年前に僕にであって悪口をいったじゃないか」
子羊はおどおどしながらいいました。
「いいえ、いいえ、そうではありません。半年前は僕はまだうまれていません。」
二度までもやりこめられた狼はぷんぷん怒っていいました。
「ええ、こいつ。めんどうくさい。お前の親父が悪口を言ったにしたって貴様が言ったとおなじさ。つべこべいうな。」
狼は歯をむきだして子羊の頭をぱくっと食いつきました。
すじ道が通っていても乱暴者は取り上げません。乱暴者に気を許してはなりません。

教育目標(一)平和で民主的な社会の建設の努力(正義)