オープンサイエンス(2)
どうやって学術の動向を把握するか。私らの時代は、図書が中心。図書へ通い新着雑誌を眺め、
1。タイトルを見る。要旨を見る。図を見る。そして読むかどうかを決める。
2。読む。考える。
最初は悪戦苦闘。専門用語をはじめ持っている知識の限界をはるかに超えている。語学だけの問題ではない。コピーのない時代、研究者はノートに書き写した。それが理解を進めた。それも逐一訳しながら。先人のノートを見るとその努力の大きさに驚愕する。
(その膨大な努力の重ね合わせが日本語で科学の最先端を理解し、同時に発信もできるという欧米圏以外で唯一の先進社会を作った。)
世の時の流れの穏やかな時は、この不眠の努力でよかった。
私らの時代は男ばかりのタバコの煙る喫茶店で一杯のコーヒーで読み耽り粘る。大学の周りには喫茶店と雀荘が並んでいた。古き良き時代。
コピー時代が情報の流れを速めた。
パソコン時代になりもっと速まった。
それがSNS時代となり最早、情報の受信(読む)作業量は個人の能力の限界をはるかに超えた。
この流れにのれないものは落ちこぼれ、ガラパゴス化する。
ガラパゴス島、そこには特異進化したものと絶滅危惧種のみが住む世界。
70億分の1の言語(日本語社会の世界人口比)内に閉じていると、情報収集は完全にガラパゴス化する。井の中の蛙化する。
さてさて、どうする?(続く)