2008-01-01から1年間の記事一覧

奥深き満州にて(2)

1987年、毛沢東が死にほぼ10年、四人組が滅び、中国は鄧小平の時代になっていた。 外国からの研究者も中国を訪れるようになっていた。河野長氏は、古地磁気の研究者。中国大陸各地の岩石磁気を調べて、大陸のテクトニクスの歴史を探ろうという研究であった…

この国を滅ぼすのか!ー改めてポスドク問題

昨日、お台場の東京国際学術館で地球惑星科学連合主催のシンポジウム「博士号取得者のキャリアパス支援の現状と課題 −博士のキャリアパスとは?−」に挨拶係として参加してきた。 たった二時間の会議では少なすぎたが、担当者と司会者の適切なアレンジで濃密…

第二話 奥深き満州にて(1)

激烈腹痛小話 第二話。 今年の6月、私は北京へ国際統合深海掘削計画の科学評価委員会幹部会のために北京にいた。この議長は河野長氏である。 1987年に訪問して以来の実に21年振りのことであった。21年前、河野長氏が隊長であった海外学術調査「東アジアの…

理性の限界

電車の中で、断続的に読み終えた。 私たちの科学で言えば、クーンのパライダイムの転換、すなわち科学の革命は、プレートテクトニクスの成立を最もよく説明する科学論としてつとに有名である。 また、ポパーの、真理の定着過程における、仮説の成立とその反…

丸の内イルミネーション点灯

通勤の乗り換えで、丸の内を通過するが、帰り道 「おー!いよいよこの季節か!」 木枯らしが吹き、マフラーが心地よい風情に似合う冬の風物だ。

七転八倒と人の出会い 第一話 ペレストロイカと腹痛(3)

彼女は私たちの入るはずだったドアの前に立った。 そして、本当に壊し始めようとしている。 騒ぎを聞きつけて、多くの人が集まって来た。 私は隊長として、このままではまずいと思った。 そして、名前を呼んで、 「ちょっと待ってくれ!もういいよ」 と通訳…

ポッカぽかの日だまり

昨夜は激烈。アメリカワシントン時間を睨みながら締め切り原稿と格闘。また完全徹夜! 日本時間。今朝午前11時。ワシントンD.C.昨日の夜9時。まだ、三時間あるぞ! 私は近隣の公園で、パソコンとにらみ合っている。 なんで、そんなとこでって? 実は、う…

ペレストロイカと腹痛(2)

とにもかくにも、サハリンでの食文化の違いと連日のアルコールと蠅が飛び交う中での清潔とは言えない食事が重なった結果である。 その日は、七転八倒しながら、アルコールの酔いもあり、寝ついた。 翌朝、 「おお!見事に腹痛が消え、けいれんも消えているで…

[高校同期の飲み会

土曜日は久々の高校同期の飲み会。といっても一年に一度か二度は集まる。 んで、iphoneのicalをチェック。そこに場所から時間から全部入っている。 場所をクリックして、iphoneのgoogle earthへリンク。 半蔵門。 「どうやって行くんだ?」 次は、駅探ソフト…

 私とうどんと讃岐 (13) 恐るべきさぬきうどんへの助走

腹を壊しているのに食の話題。 でもうどんってお腹に優しいんだよね。 そこで久々に、うどん。 書いていると、食の記憶って残ってるね。まさに食い意地だ。毎年個性豊かな学生が四万十帯の調査をして三年目の88年、またまたユニークな学生がやってきた。漫…

七転八倒と人の出会い 第一話 ペレストロイカと腹痛(1)

一昨日の七転八倒で昔、深刻であった経験を思い出した。全3話。 第一話 ペレストロイカと腹痛(1)前に記したサハリンでのことである。しかし、犬物語よりずっと前のこと。 1987年のことだから、もう20年も前のことである。 最初に行った時はまだまだ共…

船出ー七転八倒

昨日、爽やかな朝。 桜は、春だけではない。紅葉の桜もまた艶やかである。 人生も輝くのは青春時代だけではない。晩節が近づいたって輝く、などと重ね合わせる通勤の街路樹。午後、評議会における法人化。 定款の承認。任意団体の解散、財務の移譲。 少しの…

地球惑星科学連合評議会

今日は午後から、びっしりと地球惑星科学連合評議会である。 この組織は、三年前に発足し、私は二代目の議長(代表)であるが、今日はここに所蔵する46学協会長が集まり、この連合体の社団法人申請への最終的な意思の統一を図る会議だ。 これまで一年以上…

今日も木枯らし

今日も木枯らしが吹きすさび、寒い。 本郷のキャンパスもすっかり、色づいた。 いよいよ残りは銀杏だけだ。 寒風の中、写生会なのか、多くの人が絵筆を取っている。 風邪引くな!

寒い朝

年のせいか、最近は早く寝て早く目が覚める。 寒い! 関東かいわいはここのところ寒い! といっても、実は北海道の比ではないのであるが。 昔、はじめて四国高松で迎えた冬。 「うおー!温い!」 秋のトバ口で春へ戻る、っとえらい得した気になった。 「ここ…

駒場の森

今日は午後から駒場で講義であった。 駒場のキャンパスは本郷に比べて多くの巨木の森の中にある。 めっきりと冷え込んだ今日。 二週間前に比べてめっきりと紅葉がすすんだ。 しかし、銀杏はようやくわずかに色づきはじめたところ。 これが完全に色づくと東京…

今日発信のニュースとポスドクシンポジウムの再度の案内

┌┐ └■ 1.巻頭言 日本地球惑星科学連合運営会議議長 木村 学 北海道から初雪の便りがあり,あちこちから晩秋の風情が届くこの頃ですが,皆様,いかがお過ごしでしょうか.さて,連合はすでに来年度の大会に向けて始動しております.来年度の大会をより充実し…

私とうどんと讃岐(12)四万十ことはじめ

高知の四万十帯の見学をし、強烈な刺激を受けた。 うどんは食べなかったのかって? 食べた。 高知県や徳島県には、「得○うどん」というチェーン店がある。 あちこちで目につく。岡山県にもある。しかし、香川県内には一軒もない(いまは知らない。しかしやっ…

一層深刻なポスドク問題

今、全国で多くの人が博士論文をまとめている。 しかし、科学に多くの飛躍をうむこの時期に、冷や水をかけるような事態が進行している。 それは、学術振興会のこの時期のポスドク採用のための通知だ。 彼らは研究を継続したいという強い意志で、通常の就職活…

追憶:私とうどんと讃岐(12) 国境はうどん境

突然の叫び声に皆、テントを飛び出した。 「どうした!?」 「先生、あれを見てください!」 そこには古びた石作りの碑がーー。 「え!?ーーーー! ここは墓場じゃないか!」 私たちは、勢い良く河原に車で乗り込み、適当な広場だったので、そのままテント…

博士論文提出審査会の公開発表会(2)

今日は午前中2件、午後3件の発表を聞いた。 いろいろ議論が巻き起こり、面白い。 山本純之君:Formation of stromatolite-like structures by in-vitro cyanobacteria culturing 磯崎裕子君:Timing and cause of dust emission from the Taklimakan Deser…

博士論文提出審査会の公開発表会

今日から3日間、博士論文提出審査会の公開発表会である。 私は午後、以下の四名の発表を聞いた。 皆、力作だ。内容は審査事項なのでノーコメント。 ただ、誰も写真など撮ってはいなかったが、人生一度(?)の晴れ姿です。 暗くてちょっと見えんのが残念だ…

追憶:私とうどんと讃岐(11) いざ!県外へ

讃岐の国のうどんめぐり、地質巡りも1年もすると県内は一巡してしまう。なにしろ日本一狭い県だ(ただし大阪を除く)。 さ、県外へ行くぞ! 地質巡検の定番は、まず徳島県のど真ん中、池田町を通る日本最大のA級活断層の中央構造線、そして大歩危・小歩危を…

晩秋の蛍

秋の夜長、ベランダに光がゆらめく。 アロマキャンドルのゆらめきと、タバコの灯火。 私は、喫煙者。しかし、家の中では吸わない、吸えない。 どんな寒風が吹きすさぼうと、もう7年もそうしている。 そうベランダ蛍族なのです。 (喫煙歴は、えーと、??年!…

追憶:私とうどんと讃岐(10) 休憩:四国のラーメン

私は道産子。 すすきので飲むと最後はいつもラーメン。 讃岐へ流れて、うどんに慣れ親しむ前はラーメンに飢えていた。讃岐にもラーメン屋がある! というので、まず「豚○郎」 「お!いかにもうまそう!」 家族を連れて入った。 「ーーー。どうだった?」 顔…

追憶:私とうどんと讃岐9)コロッケうどん

「もう駄目だ!ぶつかる!!!」 ここであきらめたら、私は激突、まちがいなくあの世にいっていた。 しかし、人間というのはおかしなものだ。なぜか命の危機に落ちいった時に時間が延びる。 私は19歳の夏に交通事故で激突し、45日間入院したときの事故直…

追憶:私とうどんと讃岐(8)海とうどんと絶体絶命

地学にとって重要なのは様々な種類の岩石をたくさん見ること。そのことから地球を直接感ずるのである。 というわけで四国でも各地を巡る。四国は、日本の地質が凝縮されたようなところ。世界的見所はたくさんある。 というわけで、機会あるごとに学生をつれ…

追憶:私とうどんと讃岐(7)宇高連絡船

霧の瀬戸内海は春の風物詩 霧笛の響く穏やかな海は、季節の変わった事をはっきりと示している。 しかし、今と違って、昔は霧の日には船も飛行機も皆泊まる。 当時は、瀬戸大橋も、ジェット機の発着する空港も四国には1つもない。完全に陸の孤島と化してしま…

今日の外人

昨日は、一昨日から寝ずに科学研究費の申請書類かきに追われた後も、予定が目白押し。 そして夜になって、ミネソタのDavid Yuenが飲みに行こうというので、本郷3丁目の「だん」 この写真、左の人がDavidではありません。 左は、地震予知で発言を続ける、か…

追憶:私とうどんと讃岐(6) 悲しみからの脱却

坂東先生が亡くなり、しばらくの間、呆然としていた。 寒風吹きすさぶ中で、あわただしく葬儀を終え、それからも長い間,放心状態であった。葬儀での、残された奥さんと、今だ学生と高校生である子供たちの姿はあまりにも痛々しいものであった。時間が経ち、…